こんにちは。理学療法士の可部です。
先日、お話をした自立支援介護の続きと事例を紹介したいと思います。
「ADL(日常生活動作)自立が、QOL(生活の質)を高める」
これは、自立支援介護の研修を受けた時に教えてもらった言葉です。
ADLが自立することで、行動の主体性が生まれます。これにより、自分の行動を選択できる権利を得ることができます。行動の主体性が生まれることで、おのずとQOLも向上します。
結果、その人らしさの実現に繋がってくるというものです。
先日、利用者様のリハビリで伺った際に、印象に残る一言を頂きました。
この方は、ベッド上で過ごす時間が長く、食事もあまり食べることができていませんでした。自立支援介護の基本ケアを実践し、食事量が増え、リハビリで離床できることが増加しました。そして、1か月の介入で、車椅子に座って過ごすことができるようになりました。
この時、利用者様が冷蔵庫の中を見ながら言われた一言です。
「人に頼んで持ってきてもらうのと、自分で選んで食べるのじゃあ、全然違う」
とても心に響きました。元気な人からすれば、食べ物を自分で選んで摂取するのは、当たり前のことです。しかし、ADL能力が低下したことで、選択権を失っていたのです。
その人らしさの実現に少し近づけた瞬間でした。
これからも、自立支援介護の考え方をリハビリや看護の関わりの中で実践して、利用者様に有益なサービスを提供していけるよう、スタッフ一同関わらせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。